オバマ大統領に平和賞
♪猪口邦子「手のひらメール」31号♪(2009/10/10発行)掲載
「核軍縮の流れに強烈なインパクトを与えた」「未来への希望を抱かせることのできる稀有な存在」として米大統領バラク・オバマ氏に本年のノーベル平和賞が授与されることになった。大統領に就任してまだ10ヶ月。勤勉で啓発力の高い仕事ぶりに歴史的な評価が示された。希望の途絶えた現代において、「希望を抱かせる」ことこそ、政治の使命であることを物語る。
オバマ氏は本年4月初旬、チェコの首都プラハにて、核兵器に依存しない世界を目指すことを約束し、自ら使用国の道義的責任を認める演説を行って世界を驚かせた。ロシアと率先して核兵器削減交渉を行うなど、行動の早さと狙いの鋭さで世界を圧倒してきた。
人間社会には、人道に反してもやむを得ないとされた制度を廃絶する能力があるか?かつて米国では奴隷制はやむを得ない制度とされたが、リンカーン大統領は南北戦争に勝利してこれを廃止した。それから一世紀半。オバマ大統領は、人道に反しても安全保障上やむを得ないとされてきた核兵器を、平和外交で廃絶できるか。
